韓国の通信事情は日本と似て非なるもの。同じようなアイデアやサービスもあっという間に実サービスや製品として出てきます。このスピード感が韓国の最大の武器であり魅力でしょう。なので、韓国の同行を探ると日本の近未来も見えてきます。
<韓国国内 Tablet PCで競争激化 : スマートホンよりもタブレットか?>
韓国は、スマートフォンの早い普及とともに薄くて軽くてノートパソコンより携帯することが手軽で、スマートフォンより大きい画面、速いCPUを装備したTablet PCに関心が集中している。 最近韓国のSKテレコムとKTなどキャリア(携帯移動通信会社)は、タブレット普及に社運をかけたといっても過言ではない。 KTの‘アイデンティティ・タブ’をはじめに三星電子の‘ギャルラクシー・タブ’、LG電子の‘UX10’等多数のタブレットがあふれる展望だ。タイミングは分かりにくいが、アップルの‘アイパッド’もKTを通じて発売されると発表している。
KTは今年8月31日、中小企業であるエンスパートと協力、タブレットPC‘アイデンティティ・タブ’を発表した(今年9月10日)。このため、三星電子の‘ギャルラクシー・タブ’発売を予定したSKテレコムはKTにやられたという話も出てきた。当初タブレットPC市場の第1ラウンドはSKテレコムの‘ギャルラクシー・タブ’とKTの‘アイパッド’の対決になるだろうと予定したからだ。アイデンティティ・タブの最も大きい特徴は、「契約期間など条件付きなし、無約定49万ウォン(約36,000円)」という価格競争力だ。タブレットの価格は、60万~70万ウォン台(約45,000~52,000円)の価格を形成するだろうと言われているから、この値付けはSKTにとって脅威に違いない。
タブレット市場で50万ウォン(約37,000円)以下の価格競争力を確保したこと自体は意味を持つことになるというのが業界の分析だ。
もちろん価格を低くするためにスペックは多少犠牲にしている。アイデンティティ・タブにはアンドロイド2.1、コード名‘エクルレオ’が搭載された。
アンドロイド2.2‘プロヨ’を搭載する予定の‘ギャルラクシー・タブ’に比べて仕様は見劣りする。両方とも画面の大きさは7インチで同一だが、解像度は‘ギャルラクシー・タブ’のほうが優位である。また最大の欠点はアイデンティティ・タブには3G無線通信が抜けている。そのため外では必ずWiBro(WiFi)を使わなければならない。アイデンティティ・タブは既存KTワイブロ営業・販売ネットワークを通してEgg 2(普通のフィーチャーフォンサイズの小型WiFi/WiBroルータ機器)とセット商品で販売されている。
SKテレコムを通じて発売される予定の‘ギャルラクシー・タブ’は3G無線通信はもちろん電話通話まで可能だ。9.7インチのアイパッドより小型ながら、重さは半分以下とし携帯性をより強調した。
KTとSKテレコムのタブレット事業展開は明らかに異なる。無線インターネットのインフラを構築しているキャリアにとってはタブレット市場の主導権を握るのは売上以上の意味を持っているようだ。
まず、KTはWiFiを通じて無線インターネット市場の流れを引っ張っていく計画だ。繁華街、公共場所など全国33,287ヶ所(2010.8月基準)地域にWiFi Zoneを設置したことはこのためだ。(2010年4万、2011年10万ヶ所まで拡大予定)
WiFiは近距離無線通信で移動時多少信号が減衰えるが、固定された場所では安定した速度を出す。もしコーヒーショップや地下鉄駅舎などと同じように暫く休んでいる間インターネットに接続するならばWiFiは最も使えるインターネット接続方式という評価だ。
合わせて地下鉄やバスなど交通手段で移動時インターネットの接続はWiBroが担当する。WiBroはまだソウルを中心にした首都圏だけで使用可能だが、KTは来年3月まで全国84都市・郡地域に、また主要高速道路(今年10月まで)までサービスを拡大する計画だ。
一方SKテレコムは3G移動通信ネットワークを拡大して全ての無線インターネットのユーザーに3Gを使うようにするという戦略だ。最近発表した無制限データ・パケット料金もこれと無関係ではない。3G無線ネットワークはWiBroに比べて速度は多少遅いが、場所を気にせず、移動時にも安定した接続が可能だ。問題は爆発的に増加すると予想されるトラフィックをどのように耐えられるかということだ。
最近、韓国のスマートフォンユーザーの間では、通話途中切れる現象やスマートフォン契約してから個人負担の通信費が増えて不満を表している。
スマートフォンの普及とともに、通話中切れてしまう現象は、3GやWiFiどっちらも頻繁に起こるようになった。
キャリア側はスマートフォンに不具合があるのでは?スマートフォン端末メーカはネットワークの問題!など両者意見が食い違っている中で、今年10月韓国放送通信委員会の調査が入った。その結果、ネットワーク負荷の原因を取上げている。
韓国の携帯電話のパケット通信料金は従量制で携帯電話の基本料金月々35,000ウォン~95,000ウォン(約2,500~7,000円)で無料データは100MB~3,GBだ。
月々無料分を使わなくても翌月への繰越はされない。パケット使い放題料金がこれまでなかったので、使用量など確認しながら使ったり、確認しないで使ったら大金が請求されていた。
しかし、今年10月より3Gのデーターパケット利用料金の新しいプラン(パケット使い放題)ができた。
月々55,000ウォン(約4,000円)からパケット使い放題が適用される。
この料金プラン開始によって10月から無線データーを使うユーザーも爆発に増えて、Data Trafficのネットワーク負荷による現象だと分析された。
もちろんこれに対する問題解決としてSKテレコムはすでに追加で確保した周波数を活用して帯域幅を6倍に増やすと明らかにした(3W ブリッジ発表)。
便利な機能と優れたスペックで消費者に幅広い人気が予想されるタブレットはこれ以上新規加入者を簡単に増やせない携帯電話に比べたら確かに魅力的だ。
何よりタブレットの人気が直ちに無線インターネット市場のマーケットシェア向上につながることは明らかだ。タブレットが多い端末補助金を受けてほぼ無料に近い価格になるだろうと予測の理由はそこにある。
キャリアを通じて発売される国内初のタブレットのアイデンティティ・タブは、月々27,000ウォン(約2,000円)の料金プランに契約、2年約定契約したら無料で使える。(27,000ウォン料金は、DATA 50GBまで無料。データー利用料は、無料データー分超えたら10ウォン/MB(約0.73円/MB)
ただし、ギャルラクシー・タブの場合、あまりにも製品単価が高くて端末補助金の代わりに携帯電話の料金プランを調整することができるという見通しもある。
KTのアイパッドもやはりアップルのグローバル政策により消費者が多少費用を負担すると予想される。
LG U+は系列会社のLG電子で開発中である‘UX10’を対抗商品としてリリースすることが有力だが発売タイミングは確実ではない。
タブレットPCの普及が成功的に普及される場合、無線移動通信市場の流れは確実に変わるだろうと専門家たちは予想している。移動通信市場はもちろんコンテンツ市場に及ぼす影響力もものすごいと予想されている。
最近、タブレットの発売を控えている韓国の移動通信市場がより興味深くなった理由も無線移動通信市場の流れを変えることができるのか、気になるところだ。
韓国はTablet PCだけおいてみるとデバイスに力を入れて競争しているような気がする。
しかし、デバイスだけでなく出版、メディア、ゲーム、動画、ポータルなど多様なコンテンツ・システムをいち早く形成して、消費者に認めてもらった会社こそ国内タブレット市場をリードしていくだろう。<韓国ITレポートより抜粋>
「AppleのiPad, Samsungの Gallaxy Tab, KTのIdentity Tab比較」
| iPAD | Gallaxy Tab | Identity Tab |
Display | 9.7 | 7 | 7 |
Resolution | 1024×768 | 1024×600 | 800×480(WVGA) |
OS | iOS3.2 | Android 2.2 | Android 2.1 |
CPU | 1GHz apple A | 1Ghz ARM cortex A8 | 1Ghz ARM cortex A8 |
RAM | 256MB | 512MB | 512MB |
ROM | 16/ 32/ 64GB | 16/ 32GB | 8GB |
Camera(Pixel) | × | 3.2M (表カメラ 1.3M) | 3M (裏面) |
3G通話 | × | O | × |
Onseg(DMB) | × | O | O |
重量 | 680g | 380g | 412g |
大きさ | 242.8×189.7×13.4 | 190×120.4×11.9 | 191.2×130.5×14.6 |
価格 | 499~829ドル | 約90万ウォン | 49万ウォン |
<最新端末事情>
- 韓国中小&ベンチャ企業―タブレットPC市場へ挑戦 -
2010年8月31日のOn-Line誌Kbench.com より抜粋
アップルのアイパッドなど全世界Tabletデバイスに対抗して、韓国の技術で誕生した世界最初の3DタブレットPCが公開された。
総合コンバージェンス企業アイステーション(www.i-station.co.kr)は今年8月31日、3D Tablet PC‘Z3D’とMini Tablet‘バーディー(Buddy)’、‘デュード(Dude)’など総3種類のTabletを発表した。
今回新しくリリースしたアイステーションのTablet3種類は、全てOpen性が高くモバイル・インターネットに最適化されたアンドロイドOSを採用、WiFi,ブルートゥース、FMラジオなどをサポートして1080pの超高画質のフルHD映像を実現、強力なマルチメディア機能を基本搭載したのが特徴だ。
アイステーションは“今回の新製品はPMP,MP4Pなど多様なマルチメディアの蓄積された技術力と世界最高の3D立体映像基盤を整えた親会社のKDC情報通信の技術力を一つに結合した”としながら“競合会社の弱点を狙ったニッチ戦略を通じて携帯性、価格、機能面で高い市場競争力を整えた”と説明した。
この日、公開されたMini Tabletバーディーは今年9月中チョコブラック、クリームホワイトなど総2種類カラーで発売、デュードは11月中、3D Tablet Z3Dは11月~12月から次々と国内販売する予定だ。
(世界最初3DアンドロイドTablet‘ Z3D’)
映画「アバター」が人気を得る前の2008年から発売を準備してきた‘Z3D’はいつどこででも華麗な3D立体コンテンツを楽しむことができる世界初の3DアンドロイドTabletだ。
Z3Dはアイステーションの未来ビジョンを入れた代表製品として最近拡大している3Dコンテンツと共に成長を導いていく予定だ。
7インチ大きさの静電式タッチスクリーン画面は偏光方式の3Dパネルを搭載して基本提供する3Dメガネを通じて立体映像を楽しめる。また、ボタン一つで2D映像と3D映像の変換が可能、コンテンツに対する活用度が高いのが長所だ。
また映像が途中切れたりしない3D映像実現に最適化され、HDMI,TV-OUT,DMB,E-Bookおよび各種文書ビューアーなどの機能はもちろん内蔵されたGセンサー(Gyroscope Sensor,重力センサー)で本体を傾ける動作だけでも多様な操作が可能だ。デザインは、本体表面下にボタンを配置し、裏面はアイステーションのロゴデザインが入る。価格は32GB製品で60万ウォン(約43,000円)。
(学習用Tablet‘バーディー(Buddy)’)
アイステーションのTablet3種類の中,今年9月発売されたバーディー(9月末から予約販売)はアンドロイドOSを提供してこれを通じてEBSダイレクトダウンロードサービスを基本提供して教育および進学コンサルティングサービス、電子辞書機能など受験生に必ず必要な機能を搭載した学習専用Mini Tabletだ。
5インチ大きさの画面はインターネット講義および動画再生、モバイル・インターネットに最適化されている。
厚さが13.5mm、移動時間に学習しようと思う受験生が携帯するにも便利だ。
アカデミバージョン32GB、399,000ウォン(約29,000円)。WiFiバージョン(アカデミバージョンにWiFi、Bluetoothなど追加)32GB、429,000ウォン(約31,000円)。
(プレミアムMini Tablet‘デュード(Dude)’)
11月中発売されるミニtabletデュードはブラックとゴールドカラー。画面の大きさは5インチWVGA(480*800)画面を採用した。プレミアムミニtabletは携帯性が強調し、片手に入るグリップ感を提供する。
3MカメラおよびDMB,TV-Out,HDMI,G-Sensorなどのプレミアム機能とオフィス文書をそのまま見ることができる文書ビューアー機能が追加された。
また、GPSまで追加されていて地図サービス機能を提供する。
デュードは16GB,32GB容量で11月中発売予定だ。
16GB基準、約40万ウォン(約29,000円)。
(参考)
| Z3D | Buddy | Dude |
CPU | TeleChips 8901 | TeleChips 8901 | TeleChips 8901 |
OS | Android 2.1 | Android 2.1 | Android 2.1 |
Display | 7" TFT LCD, WVGA, 480x800, 3Dパネル 静電式タッチ | 5" TFT LCD, WVGA, 480x800, 減圧式タッチ | 5" TFT LCD, WVGA, 480x800, 減圧式タッチ |
Memory | 256MB DDR2 | 256MB DDR2 | 256MB DDR2 |
容量 | 32/64GB | 16/32GB | 16/32GB |
大きさ | 190x124x13.8(mm) | 144x80.6x13.5(mm) | - |
無線インターネット | Wi-Fi, 802.11 b/g | Wi-Fi, 802.11 b/g | Wi-Fi, 802.11 b/g |
バッテリ | 5000mAh, 3.7V(TBD) | 3000mAh, 3.7V(TBD) | - |
付加機能 | Bluetooth 2.0, USB 2.0, DMB, G Sensor, HDMI, DMB | Bluetooth 2.0, USB 2.0, FM Radio, Micro SD Card | 3MP Camera, HDMI, DMB, Bluetooth2.0, USB 2.0, FM Radio, G Sensor Navigation(GPS) |