2011年2月18日金曜日

2011年 W5 Update 特別編 韓国企業 in MWC2011 Part 5 Mobile Health Care

昨日でMWC2011 4日間の会期が終了した。NTTドコモ 山田社長のスピーチもソフトバンクの孫社長のスピーチも行われた。NTTドコモも今後M2Mへの取り組みを本格化していく方針だ。

ただM2Mの裾野は広い。日本では自販機の管理がM2Mの代表的なアプリケーションだが、今後は多くのサービスやアプリケーションが登場してくるだろう。今回はMWC2011の総括として、おもしろガジェット、サービスを取り上げる。

(GSMAのM2M目玉はPersonal Health 分野か)

今後どの国も高齢化が進む中、健康への関心は日々高まっている。前回お伝えした、AT&T ワイヤレスの「薬管理」デバイスやサービスも現実的なものとして意外と普及するかもしれない。








ANTワイヤレスがM-Healthのベストアワードを受賞

ANTはZigbeeに似た近距離通信用のセンサーネットワーク技術で、主に健康分野に特化している。
既に心拍系やいくつかが製品化されている。スマートフォンにANT+レシーバを取り付けることで、取得したデーターをセンターに送ることができる。(このソリューションはエムアンドエムが以前MCPC主催のモバイルソリューションフェア2009で紹介している)


(iPhoneやiPadが血圧計に?)

会場で見たおもしろガジェット。ありそうでなかったiPad+血圧計。ここにありました。iPadを使った血圧測定なら、おもしろみがあって長続きしそう。



(専用のドックにiPadを差し込むことで、iPadが楽しい血圧計に早代わり)

もちろん、測定した記録はiPad上に保存され、専用のアプリで美しく表示してくれる。当然iPadの中のデータを他に転送することも可能だ。
ちなみにコンタクト先を聞いているので興味のある方は私までご連絡を(shashimo@mmrjp.com)

その他、様々なベンダーがMobile Health Careに対するソリューションを展示していた。中国の企業は「心拍計」内蔵携帯電話を展示していた。なんでもやる中国のベンダーらしい。

2011年 W5 Update 特別編 韓国企業 in MWC2011 Part 4 KT続報

MWC2011会期も最終日。疲労も極限にきています。最後の力でUpdate

昨日の続きKTを続報。

(あのロボットはこんな感じです)


このおサルの形をしたのが「ロボット」で、おなかにあるのが液晶です。ここを通してTV電話ができます。

(Smart Green Serviceの実態は?)

スマートタグ(コンセント付通信装置)とコンセントレータの間の通信は「PLC」(電力線通信)でした。
つまりスマートタグとコンセントレーターはお互い電力線(AC)に接続しているため、PLCを使えば通信できるとのことです。その他Zigbeeバージョンもあるとのこと。またとく見るとスマートタグにはイーサネットポートがあり、有線でも接続が可能。また担当者の「極秘」情報として秋口には3Gモジュール+SIMカードバージョンもリリースされるとのこと。ちなみにこのシステムはターンキーとして販売可能とのことのなので、興味がある方は私までご連絡を。(shashimo@mmrjp.com)

(スマートタグ装置)

(PayOneサービスはおもしろい)
昨日も紹介したPayOneサービスはモバイル決済を普及させるための手段として非常におもしろい。


ここに見えるのは普通の携帯電話。その裏蓋に細工を施し、磁気カードリーダーとRFIDリーダーを追加している。この方法により、専用のモバイル決済端末に比べ格段に安い価格でリーダーを提供できる。もともと中小企業のモバイル決済需要に対応して開発されたものだ。決済サービスはASP方式で月額300円程度で利用できる。さしあたり韓国ソウル市のタクシーで試行サービスを行う計画のようだ。また、プリンター機能付のBT決済端末も同時にリリースされた。






BT経由で携帯電話に接続できるため、より簡便にモバイル決済を行える。

(PMISは完成度が高い)

iPadを利用したプロジェクト管理システムはその完成度に驚かされる。このシステムは既に実用化され、政府の重要プロジェクト(大統領直轄プロジェクト)にも採用されているそうだ。特徴は今まで様々な手段でバラバラに提供されていた機能を全てiPadからアクセスできる点だ。従来のプロジェクト管理機能と異なる点は、Webカメラを利用して実際の画像を入手し、計画段階との比較ができる点だ。この「見える化」により生産性は数倍になっているであろう。iPadを端末に利用し、データはクラウドで一元管理されているため、どこからでも最新の情報を入手することができる。

2011年2月17日木曜日

2011年 W5 Update 特別編 韓国企業 in MWC2011 Part 3 Embedded Mobile House

MWC2011シリーズ第3回目

滞在4日目、そろそろ疲れも出てきて。。気合を入れてUpdate

GSMAは今回M2MへのSIMカード搭載を目指して様々な具体的アクションを展開。M2Mは有線、WiFiではなく3G,LTEが「最適」と積極的なアピールを開始した。
その手始めとしてここMWC2011にEmbedded Mobile Houseというパビリオンを設置し、賛同する各社の展示を行った。




今回展示、デモを行ったのはAT&T,Ericsson,IBM,KT,Qualcomm,Vodafoneの6社。IBMはM2Mの先にあるデータストレージ(クラウド)ビジネスの展開として参加しているように見える。M2Mでのクラウドでの覇権を狙っている。
先日UpしたBusinesnetwork.jpでもSIMカードでのM2Mの覇権を狙いGSMAの活動が活発であることを報告した。

(KTのソリューションは圧巻)

中でも、KTのM2Mのソリューションの数と内容は他社の展示を圧倒していた。そのサービスの数だけでも9種類、しかも全てが商用のサービス、製品である。以下にその項目を挙げる。

1. Mobile PayOn Service : 得意のNFCを使用し専用スマートフォンまたはブルトゥース付のカードリーダで「いつでも、どこでも」決済を実現。NFCカードでもクレジットカード(スマートフォンの画面を利用した手書き署名)の両方が利用できる。


2.Mobile PMIS Service : 得意のiPadを利用したプロジェクト管理システム。PCを持ち歩かなくても、iPad上で全ての管理作業が行える。
 
3.Handwriting Message Service : スマートフォン上の手書きメッセージをそのまま相手にメールとして送れるサービス(ただしHMSペンという特殊なペンが必要のようだ)

4.Biz Digital Eco-drive Service : 3Gやスマートフォンを利用したエコドライブ支援システム
エコドライブだけではなく、リアルタイムデジタコデータ取得、事故予防、ガソリン消費抑制、車やパーツの診断なども行える統合化されたサービスになっている。

5.Mobile Guard Service : 主に子供の行動管理用サービス。専用の携帯を子供に持たせることでGPS経由で常にその場所を把握できる。日本のサービスと異なるのはもし子供が緊急ボタンを押すと、その場の写真を撮影し、場所のデータ付でセンターに自動送信する機能がついていることだ。(緊急時にどんな写真が撮れるのか。。ちょっと疑問だが。。)

6.AR Based M2M Service :得意のiPhoneを使用したサービス。iPhoneからM2Mデバイスの位置を確認でき、またそのままデータを収集することもできるようだ。ARはM2Mデバイスの情報をカメラ経由で教えてくれるもの。どこにどんなM2Mデバイスがあるか。。数が多くなるとこのうような機能もひ必要かもひしれない。

7.Home Robot Service : スマートフォンを利用した、ホームロボットの遠隔制御、遠隔モニター及びマルチメディア機能。(注:ロボットというか、おもちゃのような画面、カメラ付専用装置)(明日写真をUp予定)

8.Photo Box Service :これはご存知、フォトスレーム写真転送サービス

9.Smart Green Service : 専用のプラグ付監視装置(スマートタグ)を各家電等機器の間に入れ、アイフォンからその電力使用量を遠隔からリアルタイムに見れるもの。また、遠隔からの電源のオンやオフも行える。スマートタグの他、専用のコンセントレータ(3G内蔵)が必要。コンセントレータは複数のスマートタグを接続できる。(スマートタグとコンセントレータ間の通信は??ZigbeeかZ-WaveかWiFiか。。明日聞いてきます。)

さすがM2M先進国の名に恥じない充実ぶりです。

(これ何?) 






ここからはおまけだが、このオレンジ色のカプセルは何?実はオレンジ色のカプセルは薬を入れておくもの。とかく老人等が薬を飲む時間を忘れたりするのを防ぐため、青い光の装置(M2Mデバイスと呼ぶのか?)で薬のビンが開けられたか、どれくらい使用したかなどの情報を3G経由でサーバーに送り管理するものだ。これはAT&Tワイヤレスの「作品」だが、その用途にそこまでするか。。少し無理やり感がある。というかセンス悪い。。という感じ。M2Mでもっとやることあるでしょ。まあ、魔法瓶の使用の有無で行動管理するサービスもあるから、これもありか。。でも3Gはいらんでしょ。  

2011年2月16日水曜日

2011年 W5 Update 特別編 韓国企業 in MWC2011 Part 2

2日目速報です。

まずは昨日の続報から。

・ サムソンはパワーアップした、GalaxySIIとTabを前面に
・ スマートフォンで復活をかけるLGはOptimusの新シリーズと目玉の3DとTabを展示
・ リモート操作ソリューションのRサポート、スマートフォン向け遠隔アクセスソリューションを発表

<サムソンのGalaxyII>







更にパワーアップしたGalaxySが登場。以下簡単なスペックを紹介

CPU: サムソン製デュアルコアアプリケーションプロセッサーを搭載
メモリー : 1GM RAM,16GB/32GB内蔵メモリー、MicroSD(最大32GBまで)
カメラ : 8MP(バック(LEDフラッシュ付)+2MP(フロント)
ディスプレー : 4.3インチ WVGA Super AMOLED Plus
対応ネットワーク : HSPA+21Mbps/HSUPA 6.76Mbps
                            EDGE/GPRS
                            Quad band GSM 850/900/1800/1900
                            Quad band UMTS 850/900/1900/2100
コネクション : WiFi 802.11 a/b/g/n
                      BT v3.0 +HS
                      USB2.0 OTG
NFC
バッテリー : 1650mAh
OS : Android 2.3 Gingerbread
オーディオコーデック : MP3,OGG,AAC+,eAAC+,AMR-NB,AMR- WB,
                                  WMA,WAV,MID,AC3,IMY,FLAC,XMF
ビデオコーデック : MPEG4,H264,H.263,WMV,DivX,Xvid,VC-1
録音、再生 : 1080@30fps(フルハイビジョン)
GPS : A-GPS
Hubs : Social Hub/Readers hub/Music hub/Game hub

前作のGalaxySよりも様々な部分でバージョンアップされている。
前作で好評だったAMOLEDが更にリファインされ、30%表示能力がアップ、同時に18%の小電力を実現している。IのAMOLEDもその発色に感動したが、更に美しくなっている印象だ。

今後どのAndroid端末もそうだが、Andoridの恩恵を受けながら、いかに自分のアイデンティティーを主張していくかが重要な差別化のテーマになる。今回IIでは「パーソナライズUX」というアイデアを実現し、自分だけの画面を構成することができる。

また、端末メーカーならではの「強み」を生かし、「Hub」といういわばインデバイス・ポータルを提供している。詳細は不明だが、おそらくHubを経由する全てのトラヒックは一旦サムソンのサーバーを経由して各パートナーサイトへと接続されるのではないかと思われる。かつてノキアがその端末メーカーの強みを生かし自社のサイトへインデバイスポータル経由で誘導したのと同様の手法だ。
もし、端末が良く売れれば、端末販売というワンショットの売上げだけでなく、コンテンツ取次ぎという2次売上げも期待できる巧妙なしくみといえる。

またNexsuxSで実現されたとおり、NFCが搭載されており、アプリと連動すれば(特に韓国では)すぐにでもモバイル決済やショッピングが実現できる。

フルハイビジョンでの録画、再生に対応しているが、HDMI端子は装備されていない。仕様ではDLNAを経由してTVに接続するようだ。逆にTVが(無線)DLNAに対応していなければ再生はできないように見える。

(ビジネスユースを想定した機能が充実)

今後スマートフォンの主要ユーザは「法人」になる確率が高い。しかしながら、セキュリティー等解決すべき課題もあり、本格的な導入に至っていないのが実情だろう。今回の機種ではそうした「不安」を解消する様々な機能が盛り込まれている。

1.ActiveSyncに対応(Windows環境では重要な機能)
2.データの暗号化(専用暗号化ハードウェアをアンドロイドスマートフォンで初めて搭載)
3.VPNサポート(企業の遠隔アクセスでは必須の機能)
4.MDM :端末管理機能(リモートワイプ)
5.Cisco WebExサポート(電話会議システムとして広く普及しているWebExを標準サポート)

これらの機能を見て、今後GalaxySIIを企業用途に導入する企業は確実に増えるだろう。(サムソン恐るべし。。肝を知っている)

<LGは4機種のOptimusシリーズを発表。同時にTabも登場>


今回の発表製品の特徴は「高速化」と「3D」対応だろうか?ブースでは特に配布用の資料が用意されていなかったため、詳細は不明だ。やっと今回の展示に間に合わせたという印象だ。
やはり目を引くのは3Dで比較的自然な3Dのように見えた。
またタブレットではちょうどiPadとGalaxy Tabの中間にあたる「8.9インチ」という「中間ジャンル」を提案したことだろうか?昨日レポートした別のメーカーのタブレットも8.9インチをサポートしていたので、今後ひとつのジャンルとして定着するかもしれない。
おそらくHannyCumをサポートする最初のタブレットになるのだろうか。。
こちらは情報が少なく。。また詳細が入手できたら報告します。

2011年2月15日火曜日

2011年 W5 Update 特別編 韓国企業 in MWC2011 Part 1

W5の特別編はMWC2011(GSMAワールドコングレス2011)、年に一度行われる携帯通信事業者のイベントです。CESとならび携帯、移動通信に関わる多くの発表が行われます。今年はスペインのバルセロナで2月14日から17日まで行われます。

元気な韓国企業の様子を速報します。

<サマリー>

第1日目の訪問先

・ 気になるSKT「Nスクリーン」の様子を見に行きました。
・ その他、SKTブースには興味深い展示がありました。
・ サムソンはパワーアップした、GalaxyIIとTabを前面に
・ スマートフォンで復活をかけるLGはOptimusの新シリーズと目玉の3DとTabを展示
・ リモート操作ソリューションのRサポート、スマートフォン向け遠隔アクセスソリューションを発表

<SKT編>


まずは先日詳解した、SKテレコムの”Hoppin”。実際のGalaxy専用端末とデモを見てきました。あのきれいなお姉さんはいなかったけど。。端末は確かにそこにありました。


<一番手前にあるのがNスクリーン対応Galaxy、専用クレードルでTVに接続されている>



< GalaxyTabもNスクリーン端末として利用できる。またTabがTVのリモコンにもなっていた>

担当のお姉さんの話では、今後はNスクリーンは専用端末ではなく、ソフトウェアだけで利用できるようにするとのこと。それにより既存のスマートフォンからもNスクリーンコンテンツを利用できるようになりユーザーが格段に増えることを期待している。(ちなみにGalaxyTabバージョンはTVへの接続インタフェースだけで、専用のクレードルなしで接続していた)

(NスクリーンやTストアに対応したAndroidタブレットが登場)

SKTのパートナー企業である、イルミナスという会社がNスクリーンに対応したAndroidタブレットの試作品を展示、デモしていた。Nスクリーンに対応することはもちろん、TVへの接続は専用のクレードルが必要ではなく、DLNAの無線で接続が可能。このUIは非常におもしろい。今タブレットで見ている映画の画面を指でTVに向けて→をスワイプすると、まるで映画が飛ばされたようにTVに今見ていた映画が表示される。またタブレット上の逆→をスワイプするとタブレットに映画が「戻ってくる」。なんとも直感的でわかりやすい、また遊び心満点の操作性だった。
一見ワイヤレスHDMIかと思ったが、SKTはリビングの機器は全てDLNAでインタフェースを統一しているようだ。
また、特筆すべきはAndroidタブレットでありながら、独自のUIを実現していて、UIを見ただけではAndroidのタブレットという感じがしなかた。また液晶も8.9インチと「微妙な」大きさだった。タッチパネルの感度は良く、操作ももたつきがなくて快適だった。またAndroidは2.3を搭載するため、NFCも標準で搭載する予定らしい。


その他、SKTのブースで気になったのはM2MとNFCに関する展示だ。今回M2Mは医療サポート用のサービスを実現していた。専用端末(GalaxyTab)上に作成されたメニューから様々なサービスを利用できる。現在実現しているのはTabから自分の医療履歴をオンラインで見ることができるというものだ。次の段階として、血圧計や血糖値計、体重、脈拍。。。などのM2M機器をユーザーに提供し、そのデータをSKTのクラウド上に蓄積し、遠隔からでもデータを見ることができるようになるものだ。現在これらのM2M機器は開発中の模様。インタフェースはブルートゥースかと思い気や各機器に直接SIMカードを搭載するようだ。今後の展開が楽しみなサービスだ。これは今後もワッチを続ける価値あり。。

最後に気になったのは先日日本でも発表のあったNFCの実証実験だが、SKTは日本のソフトバンクとKDDIと連合を組んでいる。NFCはファリカと違いSIMカードにアプリとRFモジュールが搭載されるため、専用のSIMカードが必要になるがその専用SIMも展示されていた。この専用SIMを利用すればNFC非対応の端末でもNFCが利用できるようになるわけだ。
またSIMカードにZigbee機能を搭載したコンボカードも展示されていた。モバイル決済の世界ではNFCで先行した韓国がこれから世界の市場を席巻する予感がする。奇しくも日本はフェリカで先行した分が「負の遺産」としてNFC普及の足かせにならなければいいが。。

以上、スペインから速報でした。(残りのネタは明日フォローします)