2011年12月21日水曜日

2011年 W50-3 スマホのNFC対応に合わせて続々登場する独自サービス : ETRI、共通規格技術開発…'電子領収書'時代

いまや、NFCの利用技術では一歩先をゆく韓国から、続々登場するアプリやサービスに興味深々です。

 
2011/11/28、デジタルタイムズ
ETRI、共通規格技術開発…'電子領収書'時代来る>

モバイルカードの発売に合わせて紙領収書を代える電子(スマート)領収書時代が来る。
クレジットカードの決済証拠書類の紙領収書を発給せず、電子領収書形式でスマートに決済現況を管理することができるようになった。

韓国電子通信研究所(ETRI)はBCカード、KT、SK Planet社などと共同で紙領収書の発行及び保管の必要ない'スマート領収書共通規格及び関連技術'を開発したと11月27日明らかにした。

今回開発されたスマート領収書技術は加盟店に設置されたNFC決済機とユーザーのスマートフォンだけでサービスが可能だ。

顧客は自身のスマートフォンを決済機に接触すれば決済が行われて電子領収書にて発給を受けることになる。既存紙領収書に比べて早くて便利に利用することができる。
現在スマートフォン等を通して一部サービスされている既存モバイル領収書技術は特定移動通信社と一部カード会社のクレジットカードを使う場合にだけ提供されてきた。

この技術を利用すれば使われた決済手段、カード会社及び移動通信社に関係なくNFC決済機が設置された全ての加盟店で決済をすることになり、電子領収書の発給を受けることができる。

特に、技術標準院で国家標準化(KS)手続きを踏んでいる韓国型モバイルカードの技術規格と連動できるように開発された。移動通信社が保有したモバイル規格と連動試験も無事に終えた。

ETRIとBCカードなど共同開発業者は現在の電子領収書規格を検証するための試作品開発を完了した。11月28日ソウルのコエックスで開かれる'知識情報保安R&D展示会'に公開する予定だ。(http://www.isecconference.org/2011/

来年上半期中関連技術に対する標準化作業と商用化に必要な追加技術開発を終える予定だ。
顧客のスマートフォンに蓄積された電子領収書を確保して消費パターン、好きな商品、生活空間などの個人消費情報を外部サーバーに流出しないでスマートフォンにて直接抽出・加工及び分析する新しい付加サービス形態の'個人秘書サービス'を提供するプラットホームを開発している。

チョ・ヒョンスクETRI知識情報保安研究部長は"電子領収書技術開発にて紙領収書発行に伴う資源浪費と個人情報流出などの問題がある程度解消される"として"無プラスチッククレジットカード、無プラスチックメンバーシップカード、無紙クーポン、無紙領収書のグリーン決済時代が近づいている"と話した。

一方、今回の研究成果は韓国知識経済部のモバイルID保安及びプライバシー保護のためのSmart Wallet開発課題の支援を受けて遂行された。

BCカード電子領収書

2011/11/21、電子新聞
SK Planet㈱、"中小規模のカフェもモバイルクーポン発給">

SK Planet㈱はモバイルお財布サービス'Smart Wallet'に紙クーポンを代える'スタンプ'サービスを追加して11月21日から提供すると明らかにした。

これに伴い、町のカフェなど中小規模の店舗でもSmart Walletを利用して既存の紙クーポンをスマートフォンにてモバイルクーポンで発給できることになった。

利用希望の業者は店主用ウェブサイト(biz.SmartWallet.co.kr)にお店情報と提供内容を入力すれば固有のスタンプメンバーシップカードを発給することができる。



例えば'スタバミスリ'という中小お店ではSmart Walletのスタンプサービスと提携して'5杯を飲めば1杯を無料であたえる'クーポンサービスをスマートフォンで発給することになる。

加入者はSmart Walletで該当お店のスタンプメンバーシップを検索してダウンロードした後、該当お店に行ってスマートフォンを専用端末機にタッチすればスタンプサービスを利用することができる。

'Smart Wallet'はハッピーポイント、CJ ONE、ロッテメンバーズなど大型提携社のメンバーシップカードを一つに集めてスマートフォンに搭載したサービスだ。
全国に流通ネットワークを持つ大型企業等が主に参加してきた。

同社コマース事業部長は"最近スタンプメンバーシップが中小事業者の顧客確保と売上増大に実質的に役に立つと期待する"として"今後も提携社と機能を拡大して加入者に差別化されたモバイルお財布サービスを提供する"と話した。

2011/11/23、電子新聞
SK Planet㈱、NFCモバイルカード割引クーポンプロモーション実施>

SK Planet㈱は11月23日から来年2月9日まで明洞(ミョンドン)でNFCモバイルクレジットカードを利用する顧客に3000ウォン相当の割引クーポンを提供するプロモーションを進行する。
クーポンはカフェベネ、ファミリーマート、GS25等'NFC明洞(ミョンドン)ゾーン'の35個加盟店で利用することができる。

明洞のNFC ZONEで使える
2011/11/17、電子新聞
KT、QRコードモバイルスタンプサービス開始>

KTはNFC方式にすべてのスマートフォンで使用可能なQRコード方式を追加した'モバイル スタンプ'試験サービスを50個の中小加盟店に提供する。スマートフォンにて各お店のNFCタグとQRコードを読めば割引、クーポンなど多様なメリットが与えられる。

QRやNFCでスタンプを集めると特典が
2011/11/24、Financial News
BCカード、次世代モバイルカードサービス開始>

BCカードが次世代モバイルカード事業のスタートを公式宣言した。

BCカードは11月24日ソウル、ウェスティン朝鮮ホテルで次世代モバイルカード事業スタート記念式を行ってウリ銀行など11社の会員会社関係者及び韓国電子通信研究所(ETRI)等関連機関の関係者が参加した中で今後の事業戦略を説明した。

普通のモバイルカードはプラスチックカードの無線取引機能を携帯電話に移してきたものだ。しかし、BCモバイルカードは電子財布アプリケーションと連動されてカードのリアルタイム発行、解約、照会などサービスを無線にてサポートする。また、既存モバイルカードの場合、インターネットのショッピングモールなどオンライン加盟店使用が制限的だったが、BCモバイルカードはオンライン加盟店利用時にも決済可能だ。

BCカードは今回の次世代モバイルカード導入と共にキオブ銀行、ウリ銀行、テグ銀行、キョンナム銀行を始め既存プラスチックカードをモバイルカードに転換、発行して使うサービスを開始する計画だ。
また、来月の初めにはKTと提携して通信に特化された次世代モバイルカードを発売する予定だ。

BCカード関係者は"BC次世代モバイルカードは誰でも参加できるオープン型プラットホームを目指している"として"オン・オフライン決済加盟店拡大及びクーポン、メンバーシップ統合サービスなど新しい決済サービスを拡大していく"と話した。


2011年 W50-2 UnionPay Moves Forward on NFC microSD launch with Big Chinese Bank, No Telcos

UnionPay Moves Forward on NFC microSD launch with Big Chinese Bank, No Telcos 

NFC Times 12月6日の記事からです。

http://www.nfctimes.com/news/unionpay-moves-forward-nfc-microsd-launch-big-chinese-bank-no-telcos



なかなか刺激的な見出しですね。この話題については私もbusinessnetwork.jpで取り上げています。


【第11回】中国のモバイル決済を制したのはNFCか、中国移動が推進する独自規格RF-SIMか?

このNFC Timesの記事は私の書いたものを裏づけするものですね。これでいよいよ世界最大の移動通信事業者China MobileとChina UnionPayの正面戦争が始まりそうです。
この動きは少なからず、China MobileとNFCでアライアンスを組む,韓国のKTや日本のNTTdocomoにも影響を与えそうです。
このプロジェクトでは、SIMとNFC間の通信方式である、SWP(Single Wire Protocol)をmicroSDカードにも適用し、SD-SWPを標準化させようとしています。

CUPは全方位でNFCをサポート
NFC対応のために開発した100ドルを切る、安価リーダ端末


一方で、最近GSMAが発表した以下のような記事もあります。

通信キャリア45社が NFC 対応 SIM カードの標準化に賛同、ソフトバンクも参加

http://japanese.engadget.com/2011/11/17/nfc-sim/

これは携帯通信事業者の団体である、GSMAが早期にNFC/SIMを標準化したいとも思惑があるものと思われます。来年の2月末にはスペインのバルセロナでGSMAの総会でもある、MWC(Mobile World Congress) 2012が開催されます。通常ここでは大きな発表が行われますから、それに向けた伏せんとも見えます。
ただし、China MobileやChina UnicomもChina UnionPayの影響力は無視できるとも思えず、いずれはmicroSD方式でのNFCも認めざるを得ないのではないかというのが私の見方です。

一方で着々と準備を進めるGoogle Walletの動向も気になります。Google的には、キャリア依存(SIM)でもなく、microSDでもなく、NFCチップそのものにSEを搭載したユニバーサル端末を開発することで、一機にNFC決済の主導権を握ることが可能になります。むしろ注視すべきはこちらの動きなんでしょうね。

2011年12月20日火曜日

2011年 W50 KSCCが進めるNFC交通カードの海外利用<EACOPS>構想

今年も残りわずかとなりました。ここに来て北朝鮮のキムジョンイルが死去するなど、2011年は激動の一年でしたね。。ってまだ3週間あるので、この間にまだ事件が起きる可能性はありますが。。。恐ろしい。。。
トピック的にはNFCが盛り上がってきた1年でもありますね。そこでNFCネタをさらにひとつ。
NFCが盛り上がる以前から、NFC(非接触カード)を利用した、海外で利用可能な交通系カードの実現に向けた検討が行われていたんですね。今となれば是非実現して欲しいものです。何しろ、空港について一番最初に必要なのは移動系ですから。。

韓国のKSCC(Korean Smart Card Corp : 韓国スマートカード)社は2007年よりEACOPSを推進している。KCSSは韓国でNO.1の交通系カード「T-Moneny」を発行、運営する会社。
EACOPS : East Asia Common Payment Scheme - 東アジア4ヶ国、韓国、日本、香港、シンガポールの交通カードサービス運営会社の協議機構。교통카드서비스운영사 협의기구, 회원사 한국 KSCC ,일본 Surutto Kansai,홍콩 Octopus,싱가포르 EZ-Link
韓国はKSCC, 日本がSURUTTO KANSAI, 香港 Octopus, シンガポールEZ-Linkが参加している。

つまりはKSCCが東南アジアでの非接触系 標準交通系カードを目指して積極的に活動しているというお話です。注目すべきは日本からもSurutto kanasai(Pitapa)が参加していることでしょうか?
確かに同社のWebページではT-Moneyプラスチックカードを販売しています。
http://www.surutto.com/conts/ticket/seoulcitypass/index.html

T-Moneyの例


日本で事前に購入して行けば韓国ですぐに利用できる訳ですね。今後これがスマホ等でも可能になるのでしょうか?日本で事前にアプリをDLし、ある程度の金額を入れて韓国に持ち込めば、即利用できればとても便利ですね。
実際に韓国国内ではGalayx S2で既にT-Moneyが利用できます。単純に同じしくみを海外でも実現すれば実現可能のように見えます。日本でもNFC対応のスマホにT-Money対応アプリをダウンロードし、自分のクレジットカードから5000円分をT-Moneyに充電すればいいわけですね。
最近は特にソウル市内の電車、バス等はほとんどがこのT-MoneyやCashBeeというようなNFCカードが標準となりました。むしろこのカードがないとその都度切符(一回券)を購入することは相当に面倒です。というのも、一回券でもデポジット(保証金)が取られるため、降りた駅でデポジット分を専用の機械に入れて取り戻さないといけないので、面倒くさいとそのままとりはぐれになってしますのです。
ところで、この構想は韓国へ行く観光客にはとても便利でメリットがありそうですが、韓国から日本に来る観光客は同様にT-Monenyカードやスマホアプリを利用して電車やバスに乗れるのでしょうか?
おそらく、難しいでしょうね。。そこがフェリカである限り、海外のスマホがフェリカチップに対応したものでないと。。おそらく買い物はいけそうです。処理速度をそれほど求められない決済等であれば利用できそうですが。。
事実このEACOPS構想は2010年にも実用化を目指す予定でいたものが、いまだ開始されていません。ただし構想としては大変興味深いもので是非実現をしてもらいたいものです。